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前景抽出選択ツール

  

自由選択と類似色で囲む

前景抽出選択ツール
前景抽出選択ツール

前景抽出選択ツール前景抽出選択ツールは、自由選択と類似色で範囲選択するためのツールです。 はじめにマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のクリックまたはドラッグで大まかに囲み、続いてマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグし、通過した色の類似色の範囲を囲みます。

選択範囲の内側は各種処理の対象となりますが、選択範囲の外側の画像は保護されます。 つまり、画像の一部を保護するためのマスキングの機能です

また、選択範囲の境界に沿って線を引くというような使い道もあります。

2段階で選択する

前景抽出選択ツールは、ちょっと変わった操作で範囲選択を行います。 このツールでは、範囲選択の操作が2段階に分かれます

第1段階では、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のクリックまたはドラッグで大まかに囲みます。 つまり、自由選択ツールと同じ操作です。

続く第2段階では、選択したい色を通過するようにマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。 第1段階で大まかに囲んだ領域の内部を対象として、ドラッグで通過した色と似た色が選択されます。

なお、ドラッグで通過する色は複数の色でも構いません。 例えば、赤色と青色を通過したなら、赤色に近い色と青色に近い色の両方が選択されます。 なお、ファジー選択ツール色域選択ツールと同じように、類似色と認識させる範囲を調整することもできます。

単用には向かない

前景抽出選択ツールは精密な選択には向きません。 最終的にパスやクイックマスクを使っての微調整が必要になるでしょう。

選択範囲の追加や削除

GIMPの範囲選択は、1回の操作で完了するだけではありません。 1回目の選択範囲に2回目の選択範囲を足すというようなこともできます。

同様に、既存の選択範囲から引いたり、既存の選択範囲との交差領域(共通の領域)を新たな選択範囲にすることもできます。

境界のぼかし

境界付近をぼかすこともできます

  
  

使い方

前景抽出選択ツールの使い方を紹介します。

基本的な使い方

まずは、基本的な範囲選択を行ってみましょう。

1. 画像を開く
1. 画像を開く

上図のように画像を開きます。 鉢植えの花を上から写した写真です。

今回は、左上の赤色の花の部分を選択してみましょう。 まず、前景抽出選択ツールに切り替えます。

2. 前景抽出選択ツールを選択
2. 前景抽出選択ツールを選択

上図のようにツールボックスから前景抽出選択ツールを選択します。

まず、第1段階として、選択したい部分を大まかに囲みます。 選択したいのは左上の花ですので、その花の周りをクリックまたはドラッグで囲みます。

クリックでとドラッグのどちらでも構いませんが、ここではクリックで作業を行います。

3. 左上の花やや上をクリック
3. 左上の花やや上をクリック

上図のように左上の花のやや上をクリックします。

4. 制御点が作成される
4. 制御点が作成される

上図のようにクリックした位置に制御点が作成されます。

では、引き続きクリックでつなげて囲みましょう。

5. クリックでつなげる
5. クリックでつなげる

上図のようにクリックしましょう。

6. クリックの結果
6. クリックの結果

上図のようにクリックした点をつなぐ線が描かれます。

最後に、囲みを閉じる必要があります。

7. 囲みを閉じる
7. 囲みを閉じる

上図のようにクリック開始位置にマウスカーソルを重ねてクリックします。

8. 囲んだ領域の外側が着色される
8. 囲んだ領域の外側が着色される

上図のように囲みが閉じられ、囲んだ領域の外側が青色に着色されます。 なお、着色されていない透明な部分が、次の第2段階での近似色での選択の対象となります

では、第2段階に進みましょう。 第2段階では、選択したい色の上をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

9. 左上の花をドラッグ
9. 左上の花をドラッグ

上図のように左上の花の『花びら』と『花弁』を通過するようにドラッグします。 花びらだけを通過させると中心部分の黄色の花弁が選択に含まれなくなりますので、花弁も通過させています

10. 左上の花が選択範囲となる
10. 左上の花が選択範囲となる

上図のように左上の花のみが透明で、それ以外の部分が着色された状態になりました。

ただし、花びらの一部が青色に着色されています。 これは、選択範囲から外れていることを表しています。

続いて、花びらの一部の選択が欠けている部分を修正しましょう。

11. 選択が欠けている部分をドラッグ
11. 選択が欠けている部分をドラッグ

上図のように選択が欠けている部分をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

  
クリックでは何の変化も起こりません。 1ピクセル分でもいいので、ドラッグしてください。
12. 選択が欠けていた部分が修正される
12. 選択が欠けていた部分が修正される

上図のように選択が欠けていた部分が修正され、選択に含まれます。

続いて、第1段階で囲んだ領域の外側をドラッグしてみましょう

13. 右側の二輪の花を結ぶようにドラッグ
13. 右側の二輪の花を結ぶようにドラッグ

上図のように右側の二輪の花を結ぶようにドラッグします。

14. ドラッグした部分のみが選択範囲となる
14. ドラッグした部分のみが選択範囲となる

上図のようにドラッグした部分のみが透明になりました。 なお、周囲の近似色は透明になっていません。

周囲の近似色が選択されなかったのは、第1段階で大まかに囲んだ範囲から外れているためです

では続いて、選択範囲から除外する操作を行いましょう。 右側の二輪の花を結ぶ透明な線を対象から外します。

15. CTRLキーを押しながらマウスの左ボタンでドラッグ
15. CTRLキーを押しながらマウスの左ボタンでドラッグ

上図のように選択範囲から除外したい場所をキーボードのCTRLキーを押しながら、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

16. ドラッグした部分が選択範囲から除外される
16. ドラッグした部分が選択範囲から除外される

上図のようにドラッグした部分が着色された状態に戻ります。 つまり、選択範囲から除外された状態です。

色の塗り分けを終えたら、最後に選択の確定を行います。 選択を確定するにはキーボードのEnterキーを押す必要があります。 では、キーボードのEnterキーを押してください

17. 選択範囲
17. 選択範囲

上図のように範囲選択されます。

ただし、キレイに選択されていない部分もあることでしょう。 その場合には、パスやクイックマスクを使って選択範囲の微調整を行ってください。

  
選択範囲をパスに変換する手順については、知っておきたい機能 > 範囲選択 > パスとの相互変換ですでに説明済みです。
  
クイックマスクの詳細については、知っておきたい機能 > チャンネル関連 > クイックマスクの使い方を参照ください。

選択範囲の追加や削除

選択範囲は、追加したり削除したりできます。 手順については、知っておきたい機能 > 範囲選択 > 選択範囲の追加と削除を参照ください。

境界をぼかす

選択範囲の境界は『ぼかす』ことができます。 手順については、知っておきたい機能 > 範囲選択 > ぼかし選択を参照ください。

チャンネルとの相互変換

選択範囲は、チャンネルと相互変換することができます。 手順については、知っておきたい機能 > 範囲選択 > チャンネルとの相互変換を参照ください。

パスとの相互変換

選択範囲は、パスと相互変換することができます。 手順については、知っておきたい機能 > 範囲選択 > パスとの相互変換を参照ください。

選択率を視覚化する

選択範囲の選択率は、視覚化することができます。 手順については、知っておきたい機能 > チャンネル関連 > クイックマスクで選択率を視覚化を参照ください。

その他のツールオプション

説明できなかったその他のツールオプションの意味を以下に掲載します。

設定項目 意味 詳細
なめらかに アンチエイリアス 境界部分にアンチエイリアスがかかる
初期状態で オン になっている
単一領域を抽出 連続する類似色のみを抽出 第2段階の近似色の選択にて離れている近似色は選択しない
前景部分をマーク 前景色で塗る ドラッグした部分を選択範囲に含める
背景部分をマーク 背景色で塗る ドラッグした部分を選択範囲から除外する
※CTRLキーを押しながらのドラッグと同じ動作
小さいブラシ <-> 大きいブラシ ブラシの大きさ 第2段階での塗り分けでのブラシの大きさ
スムージング 境界を精密に 境界が精密に計算されるが内部に穴が空くこともある
プレビュー色 非選択領域の色 非選択領域を着色するための色を赤色・緑色・青色から選択する
色感度 近似色の判断の感度 Lab色空間(CIE L*a*b*色空間)で近似色の感度を指定する
 
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